NLPにおいての五感を考える
私たちは、目の前にあるこの世界をどのように認識しているのでしょうか?
「五感を通して世界を認識している」
視覚、聴覚、身体感覚、嗅覚、味覚をNLPではVAKOGといいます。
(視覚=Visual、聴覚=Auditory、身体感覚=Kinesthetic、嗅覚=Olfactory、味覚=Gustatory)
NLPでは特にVAKを重要視します。(OGはKの一部と考えます)
そして、私たちはVAKから得られる情報を元に現在の周りの状況を認識しています。
当ブログの「NLPって?」でもお話しましたが、NLPは以下の英語の頭文字を意味しています。
Neuro:神経
Linguistic:言語
Programming:プログラミング
そして「五感」、VAKとはNの部分と関係性があります。
私たちは「N」=ニューロンと呼ばれる神経システムを通して、情報をやり取りしています。
そして最初の入力が五感となるわけです。
NLPでは、このような神経システムを「代表システム」といいます。
五感から得られた情報を言語によって意味づけを行い、何らかのプログラムを作ったり、起動させたりするのがNLPです。
「五感を通して世界を認識している」の意味がわかってきたかと思います。
プログラムの起動の始まりが、五感だとすると・・・
「VAKの質」って凄く大切だと思いませんか?
「VAKの質」とは、五感の細かな構成要素のことでサブモダリティーといいます。(当ブログ関連記事)
視覚システムにおいては、
「明るい・暗い」「大きい・小さい」「静止画・動画」「クリア・ピンボケ」「カラー・白黒」「近い・遠い」「見える方向」等・・・
聴覚システムにおいては、
「大きい・小さい」「低音・高温」「ステレオ・モノラル」「近い・遠い」「聴こえる方向」等・・・
身体感覚システムにおいては、
「温かい・冷たい」「硬い・柔らかい」「重い・軽い」「強い・弱い」「ザラザラ・すべすべ」「感じる方向」等・・・
NLPの使い手になるには、「五感に冴える」「五感を研ぎ澄ます」「五感に鋭敏になる」ことが大切です。
日常生活でも、もっともっと五感を意識して過ごせば感覚は磨かれていくと思います。
以前こんな言葉を紹介しました。思い出してみてください。
「人間は出来事そのものに影響を受けるのではなく、出来事にまつわるイメージに影響を受ける」
「私たちが現実を体験する方法を変化させる能力は、現実の内容そのものを変化させることよりも効果的であることが多い」
「VAKの質」を変化させることによって、「体験に新たな意味づけ」を行う。
これがサブモダリティーチェンジです。
先ほどの例の様に、サブモダリティーを積極的に変化させ、自分にとって良い意味に変えてしまいます。
ここで少し実験をしてみます。
「怖い」
サブモダリティーチェンジを使ってみます。
「怖~いッ」
どうですか?怖さが和らいだのではないでしょうか。
「ハッピー」
サブモダリティーチェンジを使ってみます。
「ハッピー」
どうですか?より楽しさが増してきたのではないでしょうか。
このように頭の中でイメージを使って、実際の出来事に変化を与えれば、体験に新たな意味づけが与えられるのではないでしょうか。
そして変化はよりよい方向へ。楽しいものは更に楽しく、辛いことは辛さを和らげるように・・・
サブモダリティーチェンジを使ってみましょう。
サブモダリティーチェンジについてバックトラック(復習)です。
NLPの考え方を無意識のうちに使えるようになるためには繰りかえしの学習が必要です。
バックトラックを意識的に増やしていきます。
私自身がNLPの考え方を無意識に落とし込む為に必要なバックトラックです。
学習には4つの段階があります。
第1段階 「無意識的無能」・・・何かを学習する以前の段階
第2段階 「意識的無能」・・・・何かを学び始めたばかりの段階
第3段階 「意識的有能」・・・・何かを意識して使おうと努力していて、実際に使えている段階
第4段階 「無意識的有能」・・・何かを意識することなく、それらを使っている段階
自動車の運転で言えば、
第1段階は、自動車の運転の方法を全く知らないし(無意識的)、学んだこともない段階です。=無能
第2段階は、自動車の教習所に通い始めた段階です。運転は意識するが(意識的)、まだ上手く運転できない状態。=無能
第3段階は、自動車の運転免許を取ったばかりの段階です。運転操作をかなり意識するが(意識的)、運転ができている状態。=有能
第4段階は、自動車の運転を何年も続けてきて熟練してきた段階。運転操作を意識することなく(無意識的)、運転ができている状態=有能
当然、NLPでも第4段階まで到達してこそ、日常レベルで難なく活用できるようになります。
そのためには繰り返しの学習が必要になります。
復習を繰りかえし、無意識にNLPの考え方、スキルを落とし込みます。
話を戻していきます。
サブモダリティーチェンジのバックトラックです。
「人間力を最大限に発揮する~ピークパフォーマンス~」
能力を最大限に発揮するには「状態管理」が大切です。
状態を左右するのが「VAKの質」です。
五感をコントロールできれば能力を最大限に発揮できます。
私は以前に、大勢の前でスピーチをして、頭の中が真っ白になってしまったことがあります。
しかし、数人の前で話をすることは難なくできます。
何が違うんでしょう。
もともと備わっている能力は変わりないはずです。
でも、大勢を前にして私の感覚が変わってしまったのです。
変化とは無意識レベルでおきる「感覚の変化」です。
私は視覚を使って大勢の人を見て、そしてざわめく人々の声を聴き、いっせいに向けられた視線を感じ、
身体は緊張してこわばり、声は上ずり、そして頭の中は真っ白に・・・
無意識レベルでおきるからこそ、意識してもその緊張を解きほぐすことはできませんでした。
この場合も五感をコントロールして状態を管理できれば、能力が最大限に発揮できたのではないでしょうか。
NLPではアンカーを使って、瞬時に良い状態を呼び起こすスキルもありますが、それはまた後日ふれていきたいと思います。
サブモダリティーチェンジなどを使う場合に利用したい原理があります。
「私たちは無意識のうちに、ある特定の対象がある感覚に結びついている」
この原理によって、様々な反応、即ちプログラムを動かしています。
つまり感覚に変化をおこさせるには、結びつきを切り離したり、あるいは別のもへとつなげればいいのです。
「つなげる」「切り離す」。これをNLPでは「アソシエイト」「ディソシエイト」といいます。
そして「自分自身の状態をコントロールするということは、焦点を何につなげて、何から切り離すか」とうことになります。
過去に体験した出来事を変えることはできません。
しかし、過去に体験した出来事のイメージは変化させることが可能です。
サブモダリティーを巧みに操り、内的体験(想像上の体験)の変更を行ってください。
イメージ力も繰りかえし繰りかえし、使えば使うほど発達していきます。
「五感を通して世界を認識している」
この言葉から、「五感、サブモダリティー」について、途中「学習の4つの段階」「バックトラック」をはさみ、話を展開していきました。
長くなりましたが、興味深く読んで下さって、ありがとうございます。
(参考書籍)
「人」や「チーム」を上手に動かす NLPコミュニケーション術 (アスカビジネス) 著者:山崎 啓支 |
実務入門 NLPの基本がわかる本 (実務入門) 著者:山崎 啓支 |
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