アイデンティティ その2
「アイデンティティって何?」という問いの手がかりとして質問を変形します。
こんなふうにです、「アイデンティティってどうやってできるの?」
さぁ、少しヒントめいたものがうごめき始めましたね。
前回の記事はこんなところで終わりました。
今回は、その続きです。
アイデンティティってどうやってできたのでしょうか?
もう少しくだいていきますね。
では、私が「赤ちゃん」だった時のアイデンティティと、
今、「43歳の私」のアイデンティティって違うんでしょうか?
考えるまでもなく、違いますよね。
赤ちゃんの私が、「私は薬剤師です」、「私は夫です」「私は子供です」「私は父親です」など、
持ちようがないわけです。
では、いま持っている私のアイデンティティってどうやってできたの?ということなんですが・・・
それは今まで私が生きてきた中での関係性からできたものではないでしょうか?
私の人生で、関わってきた人、モノ、体験・・・
そういった関わりの中でアイデンティティが形成されてきたのではないでしょうか?
では、もっとシンプルにいってしまえば、アイデンティティって記憶ではないでしょうか?
「アイデンティティは記憶である」
アイデンティティは記憶からできたもの、こんな感じで仮留めするといいのでは・・・
アイデンティティは自己認識ともいいます。
つまり私たちは、自分自身を認識するには記憶が必要だということです。
記憶がなければ、「私は誰??」ですね。
わからないわけです。
アイデンティティはないんです。
生まれたての赤ちゃんも、記憶が浅いわけですから、アイデンティティも数少ない・・・
というか、ないですよね。きっと。
----------------------------
----------------------------
「アイデンティティ=記憶」
----------------------------
----------------------------
アイデンティティは、今までの人やモノ、出来事などの体験などの中での関係性のもと作られてきた。
そして、それは記憶である。
記憶がなくなればアイデンティティもなくなる。
「では、記憶とは?」
結論からいきましょうか。
「記憶とはイメージ」です。
私たちの主観的な世界では、記憶はイメージです。
物理的物質世界をありのままに記憶することは無理なんですね。
私たちの内的世界(心の中)によって、様々なフィルターがかけられていくわけですから、
本来の出来事そのものを認識するのは不可能なわけです。
で、思い出されるのがサブモダリティです。
このブログでも幾度もサブモダリティは扱ってきました。
少しバックトラックしていきましょうね。
私たちは、目の前にあるこの世界をどのように認識しているのでしょうか?
「五感を通して世界を認識している」
視覚、聴覚、身体感覚、嗅覚、味覚をNLPではVAKOGといいます。
(視覚=Visual、聴覚=Auditory、身体感覚=Kinesthetic、嗅覚=Olfactory、味覚=Gustatory)
NLPでは特にVAKを重要視します。(OGはKの一部と考えます)
そして、私たちはVAKから得られる情報を元に現在の周りの状況を認識しています。
NLPは以下の英語の頭文字を意味しています。
Neuro:神経
Linguistic:言語
Programming:プログラミング
そして「五感」、VAKとはNの部分と関係性があります。
私たちは「N」=ニューロンと呼ばれる神経システムを通して、情報をやり取りしています。
そして最初の入力が五感となるわけです。
NLPでは、このような神経システムを「代表システム」といいます。
五感から得られた情報を言語によって意味づけを行い、何らかのプログラムを作ったり、起動させたりするのがNLPです。
「五感を通して世界を認識している」の意味がわかってきたかと思います。
VAKが世界を認識する始まりだとすると、「VAKの質」って大切ですね。
「VAKの質」とは、五感の細かな構成要素のことでサブモダリティといいます。
例を出して簡単に説明すれば、
好きな人を思い出す時には、どのように思い出しますか?
そして、
苦手な人を思い出すときには、どのように思い出しますか?
少し目を閉じて実際にやってみてください。
そして、その違いを探ってみてください。
視覚システムにおいては、
「明るい・暗い」「大きい・小さい」「静止画・動画」「クリア・ピンボケ」「カラー・白黒」「近い・遠い」「見える方向」等・・・
聴覚システムにおいては、
「大きい・小さい」「低音・高温」「ステレオ・モノラル」「近い・遠い」「聴こえる方向」等・・・
身体感覚システムにおいては、
「温かい・冷たい」「硬い・柔らかい」「重い・軽い」「強い・弱い」「ザラザラ・すべすべ」「感じる方向」等・・・
様々な違いを感じることができたと思います。
このようにサブモダリティとは思い出すときの癖と考えることもできます。
で、「記憶はイメージ」ですが・・・
記憶とはサブモダリティが作りだすイメージであるということです。
このようなイメージのもと、私たちは様々なアイデンティティを作り、身にまとっています。
---------------------------------------------------------
---------------------------------------------------------
アイデンティティ=記憶=実世界×サブモダリティ=イメージ
---------------------------------------------------------
---------------------------------------------------------
アイデンティティがイメージだとすると、
「本当の私は何??」
これは大きな空白のまま、煮詰めていきましょうね。
次回はアイデンティティが作り出される関係性について考えていきます。
| 固定リンク
「NLP/アイデンティティ」カテゴリの記事
- アイデンティティ その4(2010.10.20)
- アイデンティティ その3(2010.10.20)
- アイデンティティ その2(2010.10.18)
- アイデンティティ その1(2010.10.16)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント