アイデンティティ その4
さて今回はアイデンティティと自己同一化について考えています。
私たちは、アイデンティティという言葉から、「私」=「アイデンティティ」という錯覚をもっていました。
しかし、「私」というものは実はイメージであり、「本当の自分」、「本当の私」は別にあります。
「アイデンティティ」=「記憶」=「実世界×サブモダリティ」=「イメージ」=「私(思い込み)」≠「本当の私」
私たちが「私」と認識しているものは「セルフイメージ」です。
そして、アイデンティティは自動反応で切り換わるセルフイメージです。
そのセルフイメージに私たちは自己同一化しているんですね。
しかし、ここで自己同一化をアイデンティティレベルの範囲内に留めてしまうと、脱自己同一化しにくくなります。
脱自己同一化へのアプローチが狭くなってしまうんですね。
今までの話にもありましたように、私たちには、いくつものアイデンティティがあります。
しかし、「焦点化の原則」により、瞬間瞬間に持てるアイデンティティは一つです。
そして、その繋がったアイデンティティと自己同一化しているわけですね。
しかも、それは選択できるものではなく、ほぼ自動反応として数あるアイデンティティの一つに繋がっています。
自己同一化という言葉から、ニューロロジカルレベルでいうところのアイデンティティの専売特許とばかりに思いがちですが、
もっとフレキシブルに考えてみては・・・・
今のところの私の見解ですが、
「人は、ニューロロジカルレベルのいずれかの階層(レベル)に自動反応で繋がり、そこに自己同一化している」
という考えを持っています。
もちろん上位階層(アイデンティティ、信念・価値観)に繋がっている時の方が、自己同一化も強固で、
下位階層(能力、行動、環境)に与える影響も強いでしょうが、
脱自己同一化の手がかりとしては下位階層にも勝機ありと思っています。
常に人は瞬間瞬間、どこかのレベルに繋がっている。
そして、どのレベルでも自己同一化は起きている、そんなことを知っていただきたいと思います。
「環境」と自己同一化、「行動」と自己同一化、「能力」と自己同一化というと、なにかよくわからないかもしれませんね。
もう少しわかりやすくします。
「環境」、「行動」、「能力」がアンカーとなって、あるアイデンティティを発動させ、それに自己同一化していく。
この辺りのことは、記事の「アイデンティティ その3」で書かれていた、
「下位階層については繰り返しの体験によりプログラムができ、アイデンティティに影響を与えます」に繋がっていきます。
その「環境」「環境」「環境」「環境」「環境」「環境」・・・
その「行動」「行動」「行動」「行動」「行動」「行動」・・・
その「能力」「能力」「能力」「能力」「能力」「能力」・・・
このように繰り返し繰り返しの反復体験により、アイデンティティを形成していく。
どうでしょうか?なんとなくご理解頂けましたでしょうか?
下位階層からも脱自己同一化するのに勝機があると、書いたのはこんなところからきていました。
アンカーとなる「環境レベル」、「行動レベル」、「能力レベル」を変えること、気づくことにより(脱自己同一化)、
アイデンティティレベルでの深い自己同一化に影響を与えることもきっと可能でしょう。
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